正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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寒さに向けて

     - 鍼灸治療

いよいよ本格的な冬がもう目の前です。”冷え”がとてもつらく感じる季節ですね。まだ冷暖房の設備もなく自然界の四季の変化に対応していた時代のたくましい人々とちがい、現代の私たちは便利で快適な生活を手に入れたかわりに体温調節がうまく働かないからだになってしまいました。最近では”冷え性”だけでなく、”低体温”といったことも問題になっています。

東洋医学では「冷えは万病の元」という言い方がありますが、平熱体温が低くなると免疫機能が低下し風邪を引きやすくなるだけでなく、重症疾患のリスクも高まるといわれています。「冷えること」そのものも不快な状態ですし、なんとか改善したいものです。

ここでは”冷え”の原因を4つのタイプに分け、その対処法もご紹介したいと思います。ご自分がどれにあてはまるか、ちょっと考えてみましょう

  1. 精神不安定タイプ・・・忙しくてストレスを発散できにくく、イライラすることの多い方は自律神経のバランスが乱れている可能性があります。交感神経が高まった状態が長く続くと冷え、特に手足が冷たくなりがちです。手足をグーパーしたり手首足首を回すなどして末端まで血流をよくするようこころがけましょう。
  2. 筋力不足タイプ・・・からだの熱の多くは筋肉で産生されますので筋肉が少ない方は熱の産生が少なく、更に脂肪がたくさんついている方は一旦冷えてしまうとなかなか温まらないという特徴があります。ウォーキングや腹筋運動などで筋力強化をしましょう。
  3. 女性ホルモン不安定タイプ・・・女性に冷え性が多い原因のひとつに女性ホルモン分泌の乱れによる血行不良があります。月経が乱れがちな方は腹巻やカイロで下腹部を常に温めることをおすすめいたします。
  4. エネルギー不足タイプ・・・東洋医学でいう「気血不足」の状態です。ダイエットや偏食により血液や筋肉の素となるたんぱく質が不足していると全身の冷えを感じることが多くなります。

また、お灸も”冷え”の改善に大変効果があります。自宅で手軽に行えるお灸もございますのでお問い合わせ下さい。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」311号(2011年11月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。