正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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上手に年齢を重ねる東洋医学の知恵 其の弐

     - 鍼灸治療

前号で『黄帝内経』には体の変化について男は64歳、女は49歳までの記述しかないですよ・・・と書きました。原文のままの表現では女性は49歳で「天癸竭、地道不通、故形壊而無子也」とあります。生命エネルギーが尽き、月経が止まり、子を産むことができないと解釈されます。

当時の平均寿命を考慮しますと49歳まで生きる人も多くはなかったようでこの年齢までの記述なのかと推測いたします。

しかし、現代に生きる私たちは男性は80・21歳、女性は86・61歳の平均寿命を得ました。では私たちはどんなことに気をつければ心身ともにすこやかに過ごせるのでしょうか?

東洋医学では体の健康状態をみる方法として「気・血・水」(き・けつ・すい)の考え方があります。

「気」とは生命力、エネルギー、やる気のことです。

「血」とは血液にあたるもの。

「水」とは血液以外の体液を意味しています。

「気・血・水」がバランスよく働くことが大切ですが、とくに元気の気であり活気の気である「気」は重要です。「気」は目には見えませんが体の免疫力や自然治癒力を活性化させる働きを持っています。「血」は西洋医学でいう血液とほぼ同じ意味を持っています。血液の流れが滞ることを瘀血(おけつ)といい、特に女性の場合は子宮や卵巣への血行不良となり生理痛などの原因となります。「水」は体を潤す水分のことですが不足しますとイライラや皮膚の乾燥がおき、過多になりますと水毒といわれ冷え性やむくみの原因になります。

「気」のめぐりを良くするには睡眠と体を動かすこと、「血」のめぐりをよくするにはバランスのとれた食事と運動、「水」のめぐりをよくするには体を冷やさず、汗をかくような運動をするとよいと言われています。

体が年齢とともに変化してゆくことは実感せざるをえません。その変化には節目があることを意識して暮らしてゆくことが上手に年齢を重ねるポイントなのかしらと思います。私の携っている鍼灸治療は本来、これらの「気血水」のめぐりを助け、人がもともと持っている自然治癒力を高めるものです。肩こり、腰痛はもちろんですが、なんだか疲れが取れない、ウツウツと気分が晴れないなどの時にもお手伝いすることができます。もちろんアンチエイジングも!!


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」346号(2014年10月6日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。