“気”を 補うには・・・
- 鍼灸治療
北海道の5月は桜を始めいろいろな花が咲き出し、行楽にお出かけすることも増えますね。また、冬の間お休みしていたウォーキングやランニングを再開したりと活動的になるシーズンです。
季節の移り変わりとカラダの関係を大事にしている東洋医学には『天人合一』という考え方があります。寒い冬から春になり、日差しがだんだん強くなり大地が温められて地の気が上昇し天の気も多く降り注ぎます。草木は地の気、天の気を受けて芽が伸び花を開きます。カラダも同様に春は自然の気を受け体内の気も充実し、いろいろなことにやる気が出てきます。ただ、気(元気、やる気など)は何もせずにいて無限に湧いてくる物ではありません。食べ物や水、空気、カラダに負担のない適度な運動、仲の良い方々との楽しいひととき、睡眠などで気は補われます。
また、東洋医学には『五行論』という考え方もあります。自然界の万物、現象、人体を木・火・土・金・水(もく・か・ど・ごん・すい)の5つのグループに分け、診断や治療に取り入れています。“春”は「木」のグループです。(図参照)「木」のグループに属する五臓は“肝”です。東洋医学の考え方では五臓には臓器としての働きのみではなく精神活動も含まれていています。“肝”は計画力、実行力、統率力、責任感などの精神活動を担当しています。
日本は官公庁を中心として3月を年度末、4月を新年度として社会が動いています。
ちょうど“肝”の働きが活発になるころに会社や学校も新しく動きだすことになっていますね。3月、4月に忙しく過ごした方々はご自分の中の“肝の気”が消耗していると思います。時にはなんの予定もないゆったりとした休日を過ごされるのもよいかと思います。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」353号(2015年5月7日発行)に掲載された記事です。
著者 ●鍼灸師 |
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