正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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夏の手仕事

     - 鍼灸治療

私と同年代の方は小学校の行き帰りや山遊びの時グスベリを摘み取って食べた思い出はありませんか?

酸っぱいのはわかっているのですが実を見ると昔の子供はなんだかもぎたいのです。今の子供たちはこんなことはしないのでしょうね。

“グスベリ”は北海道の方言だそうです。標準語ではグースベリー(goose berry)日本語では“西洋すぐり”というそうです。

お隣の家の庭にグースベリーの木があります。懐かしいですねとお話をしていましたら摘み取りませんかと言ってくださり収穫後ジャムにしました。

同じベリーの仲間のブルーベリーならうちの庭にもあります。実が紫色になる頃、甘くなっているのがわかる蜂や鳥がやってきます。私も鳥たちに先を越されぬよう摘み取ります。これもジャムに仕上げました。

グースベリーは明治時代の初期に日本に入ってきましたが東北地方や北海道でしか育ちにくいのと酸っぱい味のせいか果物としてあまり流通していません。ブルーベリーの方は1951年に日本に入ってきて1980年に全国の生産量が20tだったものが1994年には420tと増加しています。やはり甘みがないと生産・流通は難しいのでしょうか。私もこうして2種類のジャムを作りましてもグースベリーよりブルーベリーに手が伸びます。

さわやかな夏の朝、ベリー類を摘み取りジャム作りをしていますと梨木香歩さんの小説に出てくるおばあさんに近づいてきているようで少しうれしくなります。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」368号(2016年8月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。