冬の過ごし方 ~養腎防寒~
- 鍼灸治療
東洋医学の古典では春は生じ、夏は長じ、秋は収じ、冬は蔵すると言われています。この時期には外に発散するエネルギーを少なくし、秋の間に蓄えたエネルギーを上手に使っていきましょうという季節です。冬は1年間でもっとも気温が低い季節で、太陽が照らす時間も短く、樹木は葉を落とし、動物たちの中には冬眠をしてエネルギーの消耗を防ぐものたちもいます。
陰陽五行説では養生に向けて季節と臓器の関係を説いています。
冬は「腎」が主役となって働く季節とされています。「腎」は現代で言うところの腎臓・副腎(内分泌の働き)・骨・骨髄・脳といったものを統括しています。「腎」は「精」を貯蔵する臓器と考えています。「精」は体が生命活動を行うための基礎となる物質です。
10月7日に放映された「NHKスペシャル 人体〜腎臓が寿命を決める〜」は東洋医学に関わるものにとって大変興味深い内容でした。
最近の研究で腎臓は脳を介在せず各臓器と連携をとっていることがわかってきているそうです。これは、まさに東洋医学でいうところの「腎」の働きだなぁと。古来、東洋医学で「腎」は生命力の源と言われてきたことが将来、明確になる予感を感じました。
さて、そのように大切な「腎」ですが寒さに弱いのです。暖かくして過ごしてくださいね。また「腎」を養う食材は黒いもの、根菜と言われています。
黒豆、キクラゲ、海藻、蓮根、ごぼう、百合根などなど。なんだかおせちの食材とも重なりますね。おせちを連想してしまうなんて今年も終わりに近づいて参りました。
今年も一年、ありがとうございました。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」384号(2017年12月5日発行)に掲載された記事です。
著者 ●鍼灸師 |
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