ナナカマド
- 鍼灸治療
10月下旬、晩秋の青空に誘われて久しぶりに真駒内公園をジョギングしました。紅葉がすすんでいます。その中でひときわ目を引くのがナナカマドの実です。
こんなにたくさんの実、食べられたらなぁ・・・ナナカマドのジャムというのも聞いたことがあるなぁ・・・と思いつつ走りました。それでちょっと調べてみることにしました。
ナナカマドの実にはアミグダリンという弱毒性の物質が含まれており、そのまま口にすると苦いそうです。ただ弱毒なので1〜2個食べたくらいでは命にかかわることにはならないようです。生の実は砂糖と一緒に焼酎につけ3ヶ月くらい寝かせると果実酒になるそうです。ナナカマドの実は凍るとこの毒成分が抜ける性質があるのでいったん凍らせてからジャムにするとよいようです。
真冬に枝に残った赤い実は苦味が抜けて鳥たちにはご馳走なのかもしれません。
ナナカマドの名前の由来はどなたもご存知のように〝七度竈に入れても燃えにくく燃え残りが出る〟と言われているのが通説です。理学博士 中村浩は「植物名の由来」の中で〝質が硬くて極上炭を作る工程で蒸し焼きを含め7日間要するため〟と記しています。
どちらにしても木の質は硬くアイヌの人たちもナナカマドの幹を山杖、カンジキ、槌の柄、炉せんに使っていたそうです。またこの木特有の匂いが魔を払うとして家の入り口などにこの木の枝を立てたりしたそうです。
雪が降り積もる冬でも真駒内公園は指定緊急避難場所に指定されており散策路やジョギングコースは除雪されています。樹々の葉が全部落ちたなかナナカマドの赤い実に雪が積もっている景色はなかなかよいものです。
北海道はどんどん冬に向かっています。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」467号(2024年11月5日発行)に掲載された記事です。
著者 ●鍼灸師 |
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