更年期とはり・きゅう
- 鍼灸治療
以前のこのコラムで、女性は「7」の倍数で身体が成長し
変化していくということを書かせていただきました。
鍼灸の古典には7×7の49歳で天癸(今流にいえば女性ホルモン)が
尽きるとされています。
現在の日本女性の閉経年齢は50.5歳だそうです。
う~む。古典の記述、畏るべしであります。
女性の平均寿命は昭和10年の統計では49.63歳でした。
戦中戦後の混乱もおちついた昭和22年の統計でも53.96歳でした。
ところが平成19年の統計では85.99歳となりました。
ですから更年期の不調が女性の重要な問題になってくるのはごく近年のことであります。
更年期とは閉経をはさんだ前後約10年をさすそうです。
女性は40代になると徐々に卵巣の機能が低下してきます。
卵巣からでている女性ホルモンが低下すると、
脳の視床下部が脳下垂体へ女性ホルモンが少ないようだから
卵巣のほうへ連絡しなさいと命令します。
すると、脳下垂体は卵巣に女性ホルモンを出すようにと催促します。
しかし、ない袖は振れないのです。
それなのに視床下部はどんどん催促します。
視床下部は自律神経も司どる働きをしているため、
自律神経にも乱れが生じ、いろいろ不快な症状が出てきます。
そしてこの年齢の頃になりますと子供の自立、親の介護など
ココロにもカラダにもつらいことが起きる年代とも重なります。
鍼灸治療というと腰痛・肩こりなど
筋肉や関節の痛みが対象のように思われがちですが、
自律神経の調整にも大変効果があります。
更年期の不調には腎兪・太谿・関元・三陰交が治療の基本のツボとなります。
熱くない気持ちのよいお灸がよいですね。おうちでケアすることも可能ですが、
ひとりひとりの体質を判断しその方に合ったツボを加えたほうが
より効果的ですので、気になるかたは一度ご来院下さい。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」275号(2008年11月5日発行)に掲載された記事です。
著者 ●鍼灸師 |
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