ケガニ
「カニを食べてもガ二を食べるな」
この諺はガニ(エラ)を食べると中毒を起こすということに由来します。
カニの腹側の殻をはずすと、中に淡いねずみ色の細長い器官が
きれいに並んでいるのに気づきます。この細長いエラが「ガニ」です。
エラはカニの呼吸器で、水を出し入れするところ。
水の出入りにともなって、水の中の有害物質や、
中毒の原因となる有害菌や腐敗菌がこのエラに付着している可能性が高いといわれています。
カニは冷凍されていても、エラの中に、わずかではあるがその菌が生息・繁殖していて、
食べる頃には中毒を引き起こすほどの量に増えている可能性もあります。
一般に、カニばかりではなく魚介類のエラは外界に通じているので
エラは汚い物を体内に入れないためのフィルターの役割を果たしているわけです。
カニのエラのことをフンドシと呼ぶ地方もあります。
昔、この諺を聞かされた愚か者が、カニを食べるのに、ふとこの諺を思い出して、
自分のしめているフンドシを外して、カニを食べたという話しも残っています。
毛蟹にはグリシン、ベタイン、アルギニン、タウリンなどが多く含まれています。
タウリンは血液の中のコレステロールが増えるのを抑え、心臓や肝臓の働きを活発にします。
また幼児の脳の発達、視力の保持、神経の発達にも必要です。
甲羅に含まれるキチンは血圧増加抑制やダイエットに効果があるといわれているが、
甲羅を精製しないで、そのまま食べても効果はありません。
脱皮して日数のたっていないカニや、甲長8㎝以下のオスの漁獲は禁止されています。
甲長8㎝に成長するのに五年間もかかるので乱獲はいけません。食べ頃は夏。
しかし、北海道では冬が美味しいといわれています。
生食は寄生虫のアニサキスの心配があるので、必ず加熱してから食べるようにします。
生は甲羅の硬いものがよく、ボイルしたものは重いものがよいとされています。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」211号(2003年7月5日発行)に掲載された記事です。
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