正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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ブリ

     - クスリになる食べ物

ブリは出世魚で東京ではワカシ、イナダ、ワラサ、ブリと変り、
関西ではツバス、ハマチ、メジロ、ブリというように呼び名が変ります。
ブリのことを、富山県では「福来魚」と書いて「フクラギ」と呼んでいます。
一年の暮れに関東、東北、北海道では新巻サケが店頭に並んで正月を迎えるが、
関西では寒ブリで正月を迎えます。
北陸では縄巻きの塩ブリが贈答品として使われ、また正月の神前に供せられたものです。
福岡や長崎では正月の雑煮には必ずブリを使います。
魚博士の末広泰雄先生によると、寒ブリは能登の寒ブリに限るということです。
天然ブリが濃厚な味なのはヒスチジン、トリメチルアミンオキサイドによるためです。

ブリの成分は、タンパク質21.4%、脂肪は天然のもので10%、
養殖ものは、これより少し脂が多いようです。
栄養面ではビタミンB1、B2、鉄分、EPA、DHAが多く含まれています。
EPAは100g中2.31gと極めて多く、その効果が期待できます。
ビタミンはA、B群のほかD、Eも多く、カルシウムの吸収を助けて骨粗しょう症を防ぐ、
歯や骨を健康に保つ、過酸化脂質を分解して細胞膜や生体膜を活性酸素から守る、
ガンを防ぐ、生殖機能を維持するなどの働きをします。
天然ものにこだわりたい人は、表示をよく見て買います。
背部に脂が多く、身の色が全体に白っぽいのが養殖といわれます。
パックに汁のたまっているものは鮮度が落ちます。
養殖ものはいけすで大量のエサを食べて育っており、魚体にエサの薬が残っている可能性もあるので、
切り身をつけ汁に漬けておき、焼くときに漬け汁を捨てると、体内から出た薬を口にしないですみます。
ブリはスズキ目アジ科の魚。イエローティル(yellowtail)の英名があります。

寒鰤は虹一筋を身にかざる
青邨

ブリ


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」216号(2003年12月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。