ユズ
ユズは爽やかな香りが特長で、マツタケの土瓶蒸し、
サンマの塩焼き、吸い物などに利用され、日本料理には欠かせない香味です。
ビタミンCの含有量は、100g中、150mgで、レモンの100mgより多く、果物の中でも飛びぬけて高い。
また、最近注目されているのが、ユズやレモンなど柑橘類の苦味の主成分であるリモノイドです。
ユズの種には100g中、500mgも含まれています。
このリモノイドに大腸ガンなどの発生を抑える働きがあることがわかってきました。
北海道大学薬学部の和田啓爾教授と金沢医大の田中卓二教授の研究によりますと、
リモノイドを0.02%含む餌と同時に大腸ガンを発生させるアゾキシメタンという化学物質を、
70匹のネズミに2~6ヶ月間投与したところ、
アゾキシメタンだけを含む餌を与えたほうは、ほぼ100%大腸ガンが発生したのに対して、
リモノイドを含む餌を食べたネズミのほうは大腸ガンの発生率が50%弱であったと報告しています。
このほかユズにはカロテン、カリウム、カルシウム、鉄分などが豊富ですし、
精油は大脳を刺激して気分を爽快にするほか、皮膚表面の血管を刺激して血液の循環を促進しますので、
冷え性、神経痛、打撲傷などにも効果があります。ユズ湯への利用も多い。
また、ユズと砂糖をホワイトリカーに漬けたユズ酒は動脈硬化や貧血にいいといわれています。
ユズは、実の部分を食べることがほとんどない珍しい果物です。
いたつきも久しくなりぬ
柚は黄に
夏目漱石
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」217号(2004年1月5日発行)に掲載された記事です。
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