正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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ミカン

     - クスリになる食べ物

ミカンの美味しい季節です。
ミカンの原産地は鹿児島で、500年ほど前に作られた日本独特の果物といわれています。
ここしばらくの間は輸入物のオレンジやグレープフルーツに押されて生産量が減っていましたが、
最近は再び栄養価が見直され注目を集めています。

ミカンにはクエン酸やリンゴ酸などの有機酸が多く含まれていますので、
疲労回復を早くする働きがあります。また、毛細血管を強くしますから、
動脈硬化にも効き目があります。コレステロールの吸収をよくする働きもあり、
高コレステロール血症によいといわれています。
最近とくに注目されているのが、ミカンをはじめとする柑きつ類の抗がん作用です。
香り成分のリモノイドやフェノール、そのほかカロチン、プロトカテク酸、オープラテン、
フラボノイドにも抗酸化・抗炎作用や、がんを抑制する働きがあることがわかってきています。

ミカンの皮を乾燥させたものは陳皮とよばれ、
これを粉にしたものは七味唐辛子などにも使われています。
また、からだを温める効果がありますので入浴剤にも使われます。
この頃はワックスを使わないノーワックスミカンもだいぶ出廻っていますので、
見ばえはよくありませんが、安心して食卓に出せます。
白いすじをとったり、袋を除いても、消化には関係しません。
むしろ、すじや袋に食物繊維やプロトカテク酸が多量にありますので、
皮をむいたらそのまま食べるほうがからだには有効です。
旬は冬、11月から3月にかけてです。

上々のみかん一山五文かな   一茶

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この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」192号(2001年12月20日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。