正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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ナバナ(菜花)

     - クスリになる食べ物

ナノハナは「菜の花」という特定の植物があるわけではなく、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ザーサイ、そのほかアブラナ科の花を総称して菜の花といいます。 このうち春先の店で、毎年、野菜として出回っているのが“ナバナ(菜花)”です。私たちはこのナバナを食べています。ナバナと名付けられていますが、店によってアブラ菜といったり、ナノハナと呼んだりしているようです。

滝川市の江部乙地区の丘陵地帯に広がる菜の花畑は、日本有数の作付面積を誇り、開花時期の5月上旬から6月上旬には丘陵地帯を彩る鮮やかな黄色の花を見るため、国内外から多くの観光客が訪れます。広さは約180haいわれています。甲子園の広さはおよそ3.85ha、東京ドームがおよそ4.7haですから、かなりの広さです。

ナバナはホウレンソウやコマツナには及びませんが、緑黄色野菜のなかでもカロテンの含有量が上位です。カロテンはビタミンA源となるだけではなく、抗酸化性によるガンの予防や老化の予防に効果のある成分です。

ナバナはキャベツやブロッコリーと同じアブラナ科。世界中の抗ガン性が期待できる食べ物をリストアップしたアメリカの国立ガン研究所の報告では、アブラナ科の野菜を重要度の高いものと位置づけています。

ナバナの抗ガン作用に関する有効成分については、カロテン・含硫化合物・抗酸化ビタミン・食物繊維など多くの要因があり、単一の成分ではなく、野菜として食べた場合の複合作用とされています。

ナバナに含まれるビタミンやミネラルの量はホウレンソウやコマツナよりも多く、栄養価の高い野菜です。とくに、カリウム・カルシウム・鉄・マンガン・ビタミンC・E・K・B1・B2・B6・葉酸とほとんどの成分が豊富です。

この植物の種からとった菜種油は、不飽和脂肪酸をたっぷり含んでいますので、昔から健康に欠かせない食品とされていました。ナバナには、腫れをひかせる効用がありますから、中国では皮膚病の外用薬に使われています。

ナバナは免疫力を高め、健康効果が期待できる栄養豊富な食べ物といえるでしょう。

菜畑に
花見がほなる雀かな
芭蕉


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」436号(2022年4月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。