正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

*

みそ

     - クスリになる食べ物

「手前みそ」という言葉は、自分の家で作っていたみその味を
自慢したことからきた言葉ですが、昔は、一家の主婦が
毎年心をこめて、みそ仕込みをしたものです。
みそはタンパク質、脂質、糖質、食塩が含まれていて、栄養的に優れた食品です。
みその原料である大豆がタンパク質を豊富に含んでいて、抗がん作用をもっています。
発酵の段階で、大豆のタンパク質がアミノ酸に変わり、消化しやすくなっています。
みそ汁をよく飲む人には胃がんが少ないということもわかっています。
二日酔いになりやすい人や晩酌などお酒をたしなむ人は、
肝臓の解毒作用を助けるので、毎日とりたい食品の一つです。
肝臓がんの抑制効果もあります。

昔の人は、実だくさんのみそ汁を「集め汁」と呼んだり、
「実の三種は、身の薬」といっていました。
みそ汁を好まない人の中には塩分を気にする方もいますが、
薄味にして、ダシをしっかりとれば、
それほど気にしなくてもおいしいみそ汁ができ上がります。
みそ汁一杯の塩分の量は、1.2グラム前後ですから、
塩ザケやラーメンなどにくらべても、決して多くはありません。
また、集め汁のような実だくさんのみそ汁の場合、
イモ類や緑黄色野菜がたくさん用いられますので、
カリウムが多く、食塩のナトリウムを体外に排出してくれます。
その上、野菜や海藻、キノコなどに含まれているセンイ質には
ナトリウム(食塩)を吸着して、
からだへの吸収をさまたげる作用がありますので、
実際にはみそ汁からとる塩分は、ずっと少なくなる筈です。

手前みそが少ない今日では、表示をよく見ることが大切です。
国産大豆を使った天然醸造の無添加のもので、風味のよいものを選ぶとよいでしょう。
ことわざに「みそ汁は医者泣かせ」というのがありますが、
アメリカでも、みそ汁が肥満や生活習慣病などの予防に効果があるところから
「ミソ・スープ」と呼んで人気が出ています。 

087136

 

 


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」193号(2001年11月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。