高血圧・動脈硬化を防ぐ‐しいたけ‐
しいたけは、昔から中国や日本では、食用として、また民間療法にも使われてきました。ことに「医食同源」を重視する中国では、気力を補い、胃の消化力を増強するとして、お年寄りで体の弱い人、長い病気で気力のなくなっている人に適しているとされ、ほとんどの料理にしいたけが入っているといってもいいほどです。
しいたけにはカロリーはありませんが、他の食品ではとりにくい、体に必要な栄養素がたくさん含まれています。特に珍しいのは、エリタデニンという成分です。しいたけに含まれているエリタデニンには、血液中のコレステロールを抑える働きがあります。
ですから、しいたけを食べていれば動脈硬化などの病気を防ぐ効果が期待できます。また、食物繊維も豊富にありますので、脂質の吸収を抑え、コレステロールの上昇を抑えるのに一役買っているだけでなく、エリタデニンには、血圧を下げる働きがあることもわかっています。
また、しいたけに含まれる成分で特徴的なのはビタミンB12とエルゴステリンです。ビタミンB12は、造血作用には欠かせないものですし、エルゴステリンは骨を作る上でたいへん重要な成分です。
エルゴステリンは日光に当たるとビタミンDを形成します。Dはカルシウムの吸収を高めるので、骨が丈夫になるというわけです。Dを引き出すには、生しいたけも干ししいたけも、食べる前に日に当てること。
市販の干ししいたけも必ず広げて日に干すようにしましょう。時間は最低2時間以上、長ければ長いほど効果をあらわします。エルゴステリンはかさの裏側に多いので、裏を向けて干すようにします。
干ししいたけは水かぬるま湯にもどして使いますが、もどし汁には、ビタミンDの他、ビタミンB1、B2、カリウム、アミノ酸、エリタデニンなどの有効成分が溶け出していますので、捨てずに活用しましょう。
最近の研究では、抗がん作用などの働きがあることがわかってきましたが、のぼせ性の人やアレルギー体質の人・冷え症の人などは多食を避けること。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」163号(1999年7月5日発行)に掲載された記事です。
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