ウコン
ウコンは黄色の染料として、平安時代から金染めの名で知られ、その色をウコン色といいますが、いくらか赤みの黄色で、ベニバナの下地に多く用いられていました。
ウコン染めのものは、木綿によく染まることと、殺菌や防虫の効果が大きいことから、産着や胴巻き、手ぬぐい、掛け軸や茶道具、陶器、それに着物などを包むのに、古くから使用されてきました。現在でも草木染めに用いられています。
また、天然色素として、たくあん漬け、その他の食品に添加するほか、ホウ酸塩検出試薬としても使われます。
漢方では健胃、胆嚢の活動を盛んにする利胆、鎮痛、止血などの目的で、処方に配剤されています。製剤原料にも用いられます。民間では、根茎を生のまますりおろして、痔、切り傷、腫れものなどの患部に用いています。乾燥したものは粉末として、適宜、水を加えて練り、患部に塗布します。
また、ターメリックの名で、デパートやマーケットの香辛料売り場に並んでいるのはウコンです。ウコンを粉末にし、ウイキョウなどを香料として、トウガラシ、コショウなどで辛味をつけたのがカレー粉です。ウコンはショウガと同様、芳香性の健胃剤ですから、暑いインドなどで、食欲を増進させるために、カレー粉を使った料理が発達したことはご承知の通りです。
ウコンの種類は多く、クルクマウコン(ショウガ科ウコン)は約五十種、バンウコン属は約四十種類もあります。そのほかウコンによく似た大型のキョウオウ(別名ハルウコン)やガジュツ(ショウガ科ウコン属の多年草)などがあり、ウコンと同じように利用されています。いずれもアフリカからインド、さらにフィリピンまで広く分布しています。その中でもっとも有名で、広く香辛料に利用されているのがバンウコンで、カレー粉の原料として知られています。いま、もてもてのウコンですが、市販されているのはどの種属のものか不明です。
野の道は
曲がりつ鬱金の花ざかり
中田ゆき
日高 一
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」255号(2007年3月5日発行)に掲載された記事です。
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