がんを防ぐーカボチャー
カボチャは、肺がん、食道がん、喉頭がん、膀胱がんなど多種類のがんのリスクを下げることができるといわれます。特にタバコの害による肺がんに効果をあらわすので、喫煙の習慣をやめられない人、周囲に喫煙者がいる人は、カボチャやニンジンに代表される緑黄色野菜を努めて食べることが肝要です。
カボチャは荒れた土地でも育ちます。しかも栄養的にも優れています。でんぷん質に富み、甘味があって美味。江戸時代には飢饉のさいの救荒食になりましたし、戦中、戦後の食糧難の時期には代用食として、サツマイモとともに大事な役割を果してきました。
カボチャの花は南瓜花(なんかか)といって、スープの具にするとおいしく、その上、熱を下げる、下痢を治す、痰を去る、乳の出をよくするなどの薬効があります。またカボチャで見逃してならないのは、種子です。種子には動脈硬化を予防するリノール酸が含まれています。日本では種子を捨てるのがほとんどのようですが、種子だけではなく、綿の部分もぜひ利用したいもの。綿には果肉の五倍ものカロチンがあります。綿のところは実といっしょに煮て食べたり、みそ汁の実にしてもおいしいものです。また、種子にはタンパク質、ビタミンA、B群、Eなどが多く含まれていて、高血圧や前立腺肥大の予防にも効果があります。
カボチャが糖尿病に効能があるのは、カロチンが多くカロリーが少ないので、肝臓や膵臓の負担が軽いこと、また、カボチャとコンブと小豆をいっしょに煮て常食すると膵臓の機能が強化されて、インシュリンの分泌が促されるといわれています。
カボチャの中でも、特に色の濃い栗カボチャがよいといわれるのは、色の濃い物ほどビタミンAのもとになるカロチンが多く含まれているからです。
表面につやがなく、ひび割れしているものが完熟品でβカロチンも豊富です。ずっしりと重く、ふっくらした形のものがよく、きったものを買うときは、赤みが濃いものほど完熟度が高い。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」154号(1998年10月5日発行)に掲載された記事です。
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