ショウガ
日本の飲食店で、無料でおかわりできるものといえば水とお茶を思い出しますが、寿司屋のガリもそのひとつ。ガリはただではありますが、体にとっては効果的な成分を含む大切な野菜です。
トロなど、脂っこいものを食べたあとガリをつまむと口の中の油を洗い流す役目をしてくれますし、イカやタコなどは消化に時間がかかりますが、消化を助ける働きもあります。ショウガには殺菌効果もありますので、生ものの多い寿司屋では中毒の予防をしているといえるでしょう。ショウガは一見、和風の食材のように思われるかもしれませんが、ニンニク同様世界中で食されている香味野菜です。
ショウガは栄養としての値よりも優れた薬効が期待されます。ショウガの辛味成分に含まれるジンゲロンは、体内に適度な刺激を与え、血液の循環を良くしてくれますから、胃腸はもちろんですがもろもろの内臓の機能を活発にしてくれますので、食欲も増進され、発汗作用を促し、新陳代謝もよくなります。
ショウガはインドが原産ですが、前述のように香辛料として世界的に知られています。中国でも、「史記」や「礼記」(らいき)に記載があるほど、古くから用いられていました。ヨーロッパにも薬用として伝わり、以後香辛料としての利用が広まりました。日本でも平安時代に栽培されていたという記録があります。
最近研究も進んで、ニンニクや玉ねぎ並みの血液の凝固を防ぐ作用があることがわかり、さらに動脈硬化の原因である血中コレステロールを減少させること、血圧を下げることなど次々と報告されて、高血圧症や心臓疾患にも応用されるようになってきています。
また、ショウガには白血球数を増加させる作用が大きいことや、免疫力をアップする作用もあり、ガンを予防する食べ物として期待が大きい。食べ物に抗ガン性があることについては、世界的に多くの実験で確認されています。これらの研究をまとめてアメリカの国立ガン研究所が作成した、ガン予防が期待できる食品リストにはショウガはニンニクやニンジンと同じ最重要品目のランクに挙げられています。
モンロー来れば
街に並びぬ新生姜
熊谷ふみを
西野次朗
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」461号(2024年5月7日発行)に掲載された記事です。
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