正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

*

ブロッコリー

     - クスリになる食べ物

ブロッコリーは野生キャベツの変形種として改良されたものですが、今では、ほとんど1年中、どこかの産地で作られ市場に出回っています。一般的な旬は晩秋の11月から早春の3月ころまでといわれています。北海道ではおおむね初夏どりのブロッコリーが多いのですが、しかし、甘みも栄養価も十分乗っていて味もよく、好評で、人気野菜となりました。

ブロッコリーに含まれている栄養素の中で、意外に知られていないのがビタミンKです。今のところまだ、ビタミンK自体の働きもあまり認識されていませんが、一説によりますと女性の健康に関係の深い栄養素といわれています。

ビタミンKは、摂取が難しいカルシウムの代謝を促し、骨への吸着率を高める役割を担っています。ビタミンとミネラルは相互に助け合う相乗効果を示します。そのためビタミンKが不足しますと、骨に十分なカルシウムの吸着がなされません。これが閉経後だけではなく、最近では若い女性にも見られようになっているそうです。

健康を考える上で、体内の酸化は活性酸素の害を増やすことになりますので、これを食い止めることに留意しなければなりませんが、ブロッコリーは、レチノールとカロチンの含有量が豊富で抗酸化食品としてたいへんなすぐれもので、今注目されている優良野菜です。ブロッコリーのカロチンは、体内で一番効果的に働くβ-カロチンで、糖質の代謝作用といういい働きと、がん予防にも効果があります。また、ビタミンCも豊富で低カロリーでもあります。カロリーもリンゴの半分以下ということですから、女性や肥満体質の人には魅力的な野菜といえます。

ミネラルも多く、高血圧の予防や改善によいカリウムが多く、歯や骨を形成しているリンや血をつくる鉄も比較的多く含まれています。また、便秘を改善・予防し、発がん性物質や有害成分の排出を促進する不溶性の食物繊維も多く含まれています。糖尿病・高血圧・高脂血を予防する水溶性の食物繊維も多く含まれています。

ブロッコリーの株の部分だけを食べて、茎は捨ててしまう人がいますが、茎にも栄養価は十分ありますので全部食べるようにしましょう。

西野次朗


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」462号(2024年6月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。