正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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キュウリ

     - クスリになる食べ物

キュウリは水分がほとんどでわずかにビタミンB、Cやアデニン、アルギニンが含まれていて嗜好性の食品として若い果実を味噌をつけて生食したり、キュウリもみ、漬物などとして食べます。

水分ばかりで栄養素のほとんどないといわれるキュウリですが熱を下げたり、利尿効果がありますので膀胱炎や腎炎などの症状を改善し、むくみやだるさに効果があります。

もともとこの時期、夏が旬の野菜ですから夏場の水分補給に最適です。汗をかいて水分が不足しがちな夏の身体に、負担をかけず、ゆっくりと水分を吸収させてくれます。手軽で彩もよいので夏のサラダにはなくてはならない存在感の大きい一品です。真夏の暑い日には体温の上がった身体を心地よく冷やしてくれます。冷やす効果が高いので、冷え性の人や胃腸の弱い人は、食べ過ぎないようにします。

原産地はインド北西のヒマラヤ山麓と推定されています。日本へは10世紀までに中国を経て渡来していますが、野菜として普及するようになったのは江戸時代の末ごろからです。「胡瓜」の文字は、中国で、西域(胡)から入ってきた瓜という意味で胡瓜と書いたものといわれています。キュウリは「黄うり」が語源であろうとされています。キュウリは熟すと黄色になりますが、かつては黄色に熟したものを食べていたようです。苦味成分のククルビタシンには、抗潰瘍作用があることが動物実験で確認されています。最近の研究では、腫瘍壊死因子、つまり、がんをやっつける因子を産生する作用のあることが動物実験で確認され、がん予防効果が期待できる野菜として注目されています。

外側の濃い緑色のわりにはカロテンが少ないのですが、カリウムが比較的多いので、ナトリウムの排泄を促して高血圧の予防や改善に役立ちます。ビタミンやミネラルは取り立てて多いものはありませんが、歯触りがよく色もさわやかなのでサラダや漬物には欠かせないもので、わかめやもずくのような海藻をおいしく食べさせるなど、利用度の高い野菜です。

斗酒ありや日暮れて
胡瓜刻む音
尾崎紅葉

西野次朗


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」463号(2024年7月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。