スイートコーン
札幌の大通公園で食べるトウモロコシは美味いと観光客にモテモテですが、北海道のスイートコーンが美味しい理由は、北海道の夏は日照時間が長いので胚乳にたっぷり糖分を蓄えることができます。また気温の差が大きく、昼は高温で太陽の光を十分に受け、光合成が促進され、糖分が蓄えられます。
夜は気温が低いため、糖分の消費が抑えられ、昼に蓄えられた糖分が失われることが少ないからです。このため北海道のトウモロコシは甘くて美味しいのです。これはジャガイモやカボチャ、メロンやスイカもみな同じで、北海道が誇れる道産品の味なのです。
トウモロコシは、小麦、米と並ぶ世界三大穀物のひとつです。原産地はアメリカ大陸、とくに中南米のようで、野生種を先住民が食用にしていました。栽培もしていたようです。ヨーロッパへはコロンブスが持ち帰り、それ以来世界中に広がりました。日本へは1579年(天正七)にポルトガル人によって長崎に伝えられましたが、明治初期に改めてアメリカから北海道へ入り、それ以来栽培が本格化しました。トウモロコシには食品加工用、飼料用などいくつかの品種がありますが、野菜として利用されるのは、胚乳に糖分が多い甘味種のスイートコーンです。
タンパク質・脂肪・糖質が多く、野菜よりも穀類に近い栄養価があります。ミネラルではカリウム・リン・鉄・亜鉛・マンガンなどがかなり含まれ、体液・骨・血液などの健康維持に役立ちます。
ビタミンではB1・B2・ナイアシン・パントテン酸がかなり多く含まれています。とくに胚芽に多く含まれています。また、食物繊維が多いので便秘を予防・改善し、発がん物質などの有害物質の排出を促す不溶性の食物繊維が多い。西洋では古くから利尿や胆汁分泌促進作用が知られ、腎臓病・肝炎などに用いられたといわれます。漢方でも腎臓病・糖尿病・高血圧などに用いるといわれています。
どんな食べ物にも食べごろがあります。スイートコーンは7月末から9月初めころが旬です。
唐黍を
焼く子の喧嘩きくもいや
杉田久女
西野次朗
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」464号(2024年8月5日発行)に掲載された記事です。
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