正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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ぜんまい

     - クスリになる食べ物

JRの線路のむこう側は小高い野原なので、学校から帰ると友達と寝転んで、よく遊んだものです。沢に降りるとぜんまいやキトビロ(行者ニンニク)、かたくり、わらびなど、いろいろな山菜が、自然にたくさん生えていました。

山菜の中ではわらびにつぐ代表格のぜんまいですが、日本全国の泥地、北側の斜面などに自生しています。くるりと巻いた若葉の部分を食べます。卸市場などではほとんどが乾燥させたものが出回っています。干したものにはそのまま干した「青干し」と茹でてから干した「赤干し」があります。乾燥させることで長期保存が可能になり、正月料理などにも利用できる野菜です。

ぜんまいにはビタミンAが含まれており、薬効としては利尿効果、貧血防止などの作用があるほか、乳の出の悪い人にも効果が期待されています。

食物繊維豊富で、ビタミンAやCも期待できます。干したものをもどして使うことが多く、生のものに比べてビタミン類は減りますが、タンパク質が多くなります。

生のものには造血作用のある葉酸が多く含まれて、貧血予防や利尿効果を期待して、民間療法で、薬として使うこともあるようです。

アクが強いので茹でてから使うようにします。茹でたあと流水にさらし、数時間水にさらしておきます。

干しぜんまいの豊富な栄養分を生かすには他のたんぱく質を含む食品、油揚げや牛肉などの食品と合わせると効果が高まります。

春、地上にあらわれる若い茎はのの字なりに渦を巻き白い綿毛におおわれています。銭の形に巻いているというので、ぜんまいの名があります。成長すると渦がほどけて青々とした若葉をひろげ60㎝から1メートル丈をのばします。

柔らかいうちに乾燥させ、水にもどして煮物にしたり茹でて調理する。

ぜんまいに
さめてやさしき今年蛇
加藤楸邨

西野次朗


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」476号(2025年8月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。