正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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高血圧・動脈硬化を防ぐ‐じゃがいも‐

     - クスリになる食べ物

じゃがいもの主成分はデンプンですが、そのほかビタミンやミネラルを多量に含んでいますので栄養豊富なアルカリ性食品です。体内の過剰な塩分を排泄させる働きがありますので高血圧や成人病の人の主食としてもすぐれています。

アルカリ性ですから、体液の酸性化を予防します。肉料理のつけ合せには欠かすことのできないもの。また、じゃがいものビタミンCは加熱をしてもこわれませんが、これは、デンプンが熱によって糊化してビタミンCを包み込み、保護するからだと言われています。

ドイツでじゃがいもが大量に食べられるようになったのは、壊血病を防ぐためでした。ドイツは風土的にくだものが育ちにくく、そのため、どうしてもビタミンCが不足してしまって、壊血病にかかりやすかったのです。じゃがいもをたくさん摂取するようになってから、壊血病の患者数は激減したといわれます。

CのほかにはB1も多く、1日に必要なB1を、中くらいのじゃがいも半分で摂取できます。Cと同じように、じゃがいものビタミンB1は熱を加えても残存率が高いので、炒めたり揚げたりして食べても大丈夫です。

ミレーの作品に「じゃがいもを植える人」というのがありますし、ゴッホにも「馬鈴薯を食べる人びと」という絵があります。原産地は南米のチチカカ湖周辺とされています。インディオの主食だったものを16世紀、スペイン人がヨーロッパに持ち帰り世界中に広まりました。

日本へは豊臣時代の慶長年間に、オランダ人によってジャガタラ(現ジャカルタ)から伝えられました。しかし、本格的な栽培は明治に入り、肉料理が一般市民にも食べられるようになってからです。

じゃがいもの芽には、ソラニンというアルカロイド(麻薬の一種)があり有毒なため、発芽部分をていねいにとることがポイント。皮の部分にもソラニンはありますが、蒸して食べるときは皮つきのままで大丈夫です。

因みに、馬鈴薯というのは、その形が馬の首につける鈴に似ていることから。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」166号(1999年10月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。