正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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水(四)

     - クスリになる食べ物

 

人間は普通、1日に2リットルから2.5リットルの水が必要といわれています。
食べものの中に含まれている水分が約1リットルといわれていますが、
人間の脳組織は、平均すると75パーセントが水で、老人性痴呆症になった人たちの脳は、
おしなべて水分が減少し、萎縮していることがわかっています。
つまり、みずみずしい脳ではなくなっているわけです。

私たちが飲んだ水は、概ね1分以内に脳の組織と生殖器
(男性では睾丸、女性では卵巣と子宮)に到達するといわれています。
生命を保持していく上で、重要な器官に真っ先に行くのです。
そのあと、心臓などのそれぞれの臓器に浸透して、ほぼ10分後には皮膚細胞まで行きわたります。
このことは、水が「生命の保持装置」として重要な働きをしていることを示しています。
ですから、脳や心臓も含め、体全体の老化を防ぐためには、
体細胞によく調和する「質のよい水」をコンスタントにとる必要があります。
文字通り日本人が古代から行ってきた「若水汲み」の風習の背景にある”若返りの知恵”だと思います。
体にとり入れた水が尿として排出されるまでに、
どのくらいの時間がかかるかといいますと、だいたい2時間半です。
その間、一生懸命になって体の中を掃除し、いらなくなった物や健康を害するものなどを
水に溶かし込んで取り除き、外へ捨てているのです。

水を飲まないと新陳代謝がうまく行われませんので、汚いものがたまってしまいます。
寝ている間にも、私たちは意外に汗をかくもので、一晩で平均しますとコップ一杯。
呼吸をしても水分は放出されます。したがって(一)(二)でも述べましたように、
寝ている間も尿は作られていますが、水分の補給がありませんので、
血液は濃縮されて粘り気も強くなってしまうのです。
明け方や朝に心筋梗塞や脳血栓が多発しやすいのは、
血液のネバネバと深い関係があることはいうまでもありません。

 

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この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」189号(2001年9月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。