統合医療とは何だろうか?第1回
- 統合医療
今回初めてこの「未来」に原稿を書かせていただきます。よろしくお願い致します。
そもそも「未来」に執筆することになった契機は小生がオープンしたクリニック、「医療法人 札幌がんフォレスト 癒しの森内科・消化器内科クリニック」で統合医療の一環としてヨガを取り入れたいと考え、ヨガライフスクールに講師の派遣をお願いに伺った際、サッポロケルプの福士宗光社長にお会いしたことに端を発します。福士社長からは統合医療について解説記事を書いてほしいとのご依頼があり、今回このような文章をものすることとなりました。
さて、統合医療ですが、「未来」の読者であればこの用語を知っていらっしゃる方もおいででしょうが、一般的にはまだまだ市民権を得た言葉とは言い難いでしょう。しかし、小生は人間が病気から回復し、真の健康を取り戻すにはこの統合医療が是非とも必要だと考えています。
統合医療の定義といえるものはまだ存在しませんが、ここではアリゾナ大学統合医療プログラム部長のWeil博士の考えをご紹介しましょう。彼はこういっております、「統合医療とは、治癒指向で全人的(body, mind, spirit)視点を持つ西洋医学と代替医療のあらゆる適切な療法の活用である」。つまり、人間は西洋医学が考えるような臓器の寄せ集めではなく体とともに心を持った存在であり、真の治癒とは体だけ治す(治療)のではなく、心まで治す(癒し)ことで初めて成り立つものだということでしょう。私どものクリニックのコンセプトは「体と心の癒しのために」ですが、まさにこれは統合医療を実践したいがために小生が考えたコンセプトなのです。
そろそろ紙面がつきます。統合医療をこのスペースで語り尽くすのは困難なので、非礼を省みず次回もう少し私どものクリニックにおける統合医療の実際をご紹介したいと思います。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」295号(2010年7月5日発行)に掲載された記事です。
著者 |
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略歴 1982 年より自治医科大学放射線科で超音波を含む画像診断や、画像を用いておこなうがん治療(IVR)に従事。 1985年より札幌厚生病院消化器内科医長。消化器疾患の診断と内視鏡・IVR治療をおこなう。 1996年より札幌医科大学放射線科助手。消化器疾患の画像診断、がんの非手術的治療の研究に従事。1999年講師、2007年准教授。この間、イギリス王立マースデン病院、ドイツアーヘン大学、カナダカルガリー大学に出向。 認定資格 |