統合医療とは何だろうか? 第25回
- 統合医療
以上のお話から、腸内細菌が私たちの健康に
非常に重要な影響を及ぼしていることがお分かりいただけることと思います。
ここからは、どのようにすればこの腸内細菌の活性を高め、
私たちの健康増進に役立てることができるのかをお話しします。
腸内細菌の活性を高めるために重要なことは以下の4つです。
・穀類、野菜、豆類、果物を摂取する
・発酵食品を食べる
・食物繊維、オリゴ糖を摂る
・加工食品や食品添加物をなるたけ摂らない
これらを順を追って説明いたしましょう。
穀類、野菜、豆類、果物を摂取する
これらの植物性食品は腸内細菌のエサとなります。
したがってこれらを日ごろから摂取していると、腸内フローラが増大するわけです。
発酵食品を食べる
発酵食品には乳酸菌や納豆菌など腸内において人体に有益な働きをする細菌を有しています。
同時にこれらを摂取することで腸内フローラを増大させるといわれています。
食物繊維、オリゴ糖を摂る
食物繊維、オリゴ糖は腸内細菌のエサになります。すなわち、これらを多く摂ると腸内細菌が増えます。
食物繊維は水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維に分けられます。
不溶性繊維は水に溶けないので便のボリュームを増やします。
その結果腸内の宿便や食物残渣をからめとって体外に押し出してくれます。
つまり、腸をきれいにして便秘やがん、アレルギーの予防になります。
不溶性食物繊維は未精製の穀類、野菜、豆類に多く含まれています。
一方、水溶性食物繊維は水に溶けてどろどろになるため栄養素の吸収を緩やかにします。
これにより、血糖値が急激に上昇するのを防止してくれるのです。
水溶性食物繊維は海藻、こんにゃく、里芋などに多く含まれます。
オリゴ糖はブドウ糖や果糖などの単糖類が2-10個つながった糖です。
これらはビフィズス菌のエサになるだけではなく、乳酸や酢酸を生成します。
このため腸内が酸性となり、大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉、日和見菌の増殖を抑制するのです。
加工食品や食品添加物をなるたけ摂らない
これについては特に申し上げるまでもないでしょう。
加工食品や食品添加物は腸内細菌フローラを減少させるばかりでなく、
食品添加物は私たちの体内で処理されずに残留して体を蝕むのです。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」327号(2013年3月5日発行)に掲載された記事です。
著者 |
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略歴 1982 年より自治医科大学放射線科で超音波を含む画像診断や、画像を用いておこなうがん治療(IVR)に従事。 1985年より札幌厚生病院消化器内科医長。消化器疾患の診断と内視鏡・IVR治療をおこなう。 1996年より札幌医科大学放射線科助手。消化器疾患の画像診断、がんの非手術的治療の研究に従事。1999年講師、2007年准教授。この間、イギリス王立マースデン病院、ドイツアーヘン大学、カナダカルガリー大学に出向。 認定資格 |