老化 ‐感覚機能‐
老化のプロセスは、急に始まるものではありません。
老化は長年かかってゆっくりと進行するものです。
一般的には、体力のピークは17、8歳、運動能力のピークは25歳前後にあるといわれています。
その後は体力も運動機能も徐々におとろえていくことになります。
徐々に進みますので、自分では気がつかないこともあります。
相対的な老化は、既に35歳頃から現れてくると言われています。
45歳前後からは視力がおとろえ、新聞を読むのに眼鏡が必要になったりします。
これは自分ではっきりと意識できるものです。
人の老化は、それぞれ異なります。
今回は個々の老化に伴う変化を感覚機能についてみてみます。
まず、聴力についてです。高齢になると、高い音が聞きとりにくくなります。
小さな子どもが何を言っているのか聞き取りにくいということはありませんか。
やがて、日常会話の聞き取りに支障が生じるようになります。
また、会話の全体的な内容を理解する能力も低下します。
これらの機能低下は、単に聴力の低下だけではなく、脳を含めた全体的な老化に関係するものです。
視力についてみますと、多くの高齢者は、
水晶体の屈折力が低下するために、いわゆる老眼に傾いていきます。
また、白内障になることが多く、かすみ目などの視力障害を起こしやすくなります。
けれど、最近では白内障に対する治療技術が向上し、
かなりの人たちが手術によって視力を回復する結果となっています。
体性感覚についてです。
体性感覚は、触覚や温度覚、痛覚、関節の位置覚、振動感覚などを言います。
これらの感覚全てが低下するので、
それに伴った様々な障害が現れ、また危険な状態となります。
たとえば、痛覚の低下によって危険を回避することができなくなったり、病気の発見が遅れたりします。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」214号(2003年10月6日発行)に掲載された記事です。
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