天気と体調
20℃まで上がったと思ったら翌日は一転して最高気温が10℃。寒暖の差が大きな季節です。
低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わる気圧変動によるためです。
季節の変わり目にめまいがするとか、天気が悪くなる前に頭痛がひどくなるなど、
気象の変化によって不調になるものを「気象病」といいます。
なかでも、うつや不安といった気分障害があり、
天候が変わりやすい春や低気圧が続く梅雨、台風の多い秋に多く現れます。
寒暖差に対応するため自律神経の働きによって、エネルギー消費が増え、
疲れやだるさを感じやすくなります。自律神経には、
体を活動的にする交感神経とリラックスさせる副交感神経があります。
この2つがバランスをとりながら、心臓や腸、胃、血管などの臓器の働きをつかさどります。
この自律神経は自分の意思ではコントロールできず、
ちょっとしたストレスでもバランスが乱れるので、厄介です。
特に湿度・気温・日照時間が気分に影響します。
いろんな研究がありますが、例えば、高い湿度は集中力を低下させ、眠気を催させます。
気温の上昇は不安や懐疑心を低下させます。
その一方、気温が高くなると攻撃的になる可能性が大きいです。
日照時間が増えると楽天的な考えが増加する、といったものもあります。
天気と気分の研究においては、
一般的には天気が気分に良い影響を与えるよりも、悪い影響を与える方が多いようです。
けれど、実際には北海道の寒さや東北や北陸の豪雪地帯も含めて、
そこに人間が住み、生活をしていることを考えると、
人間は天気を上回る適応能力を持っていると感じます。
どんな環境に置かれても、どんな時代であっても、
人間はそれぞれの環境にあった日々の営みを作り出し、楽しみを見つける。
そして、それを次の世代に伝えていく。そんな適応力を持っていると感じます。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」423号(2021年3月5日発行)に掲載された記事です。
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