正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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パイプが折れたのでものの持ち方を考えています。

買い物好き、洋服好きの私。クローゼットを開けるといろんなものがパンパンに入っている状態になっていました。不要不急の外出を自粛すればするほど、通販の段ボールが増えるばかり。連休は思い切って片付けようと誓っていたはずが、なかなかすすまない。いっこうに片づかない。年を取るとものを管理する能力が低くなるのかもしれないと、言い訳しながら、時間だけがたっていきました。

こんまりさんの片づけ本を読んだり、収納テクニックのHPを眺めたりしましたが、今一つしっくりこない。しまいには、クローゼットの大きな部屋に引っ越すことの方が現実的かもと、不動産のHPを眺める始末。

そんなとき、突然、クローゼットのハンガーパイプが折れました。原因はもちろん洋服のかけすぎです。びっしりかけられた洋服の重さに耐えきれなかったようです。あー、パイプって折れるのだという驚きと共に、パイプを取り換えてもらうまで、洋服は足の踏み場もないほど散乱、家族には呆れられました。さすがにこれではいけないと、片づけを決意したのでした。

そういえば、祖父母の遺品を整理した時、山積みとなった不用品に呆れたことを思い出しました。どれほど捨てたことか。捨てることにお金がかかることにうんざりし、自分は気を付けようと、あの時は確かに思いました。さらに年を取ってからでは、管理や処分する気力も体力もなくなると考えるとまず不可能です。今のうちにやらなければ、もう後はない。そんな状況に自分を追い込みました。

気持ちの切り替えはできました。あとは時間の確保が必要。足の踏み場もなく、寝る場所もなくなっては困ります。処分したものを積んでおくわけにもいかないので、ごみの収集日に合わせて、なんて考えていると、またその時を逃がしてしまいそうです。

衣替えの時期、クリーニングに出している間に始めるのが現実的と、時期を伺い、今度こそはと心に誓っています。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」430号(2021年10月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。