正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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キャベツ

     - クスリになる食べ物

キャベツの原産地は南ヨーロッパで、日本には江戸時代の末期に伝えられ、明治時代には、栽培が行われていました。「よく食べられている野菜のランキング」では、第三位ですが、ある「好きな野菜」の調査では、人気ランキング第一位でした。キャベツは生のまま手軽に食べることができますし、栄養もありますし、嵩がありますので満腹感が味わえることから、ファンが多いといわれます。

ヨーロッパでは、「貧者の医者」とか「貧乏人の医者」と呼ばれます。時期や品種によって多少異なりますが、水分のほかタンパク質、糖質、食物繊維、ビタミンCや、出血したときなどに血液を固まりやすくするビタミンKなどを豊富に含んでいる健康野菜だからです。

キャベツは古代エジプト人にも知られていて、煮てたべるとさまざまな病気の薬になると考えられていました。古代ギリシャの数学者ピタゴラスは、「常に元気と明るい落ち着いた気分とを保つ野菜である」と書いています。また、2000年前、ローマの政治家カトーは、「キャベツは素晴らしい野菜である。生で食べても煮てもよい。生で食べたいときは酢に浸すと消化がよくなり健康によい」と記しています。当時の医者は、丈夫であらゆる病気に強く育つよう、子どもたちに食べさせることを特にすすめたといわれています。古代ロシアの医学書には、キャベツが黄疸や結石などに効くという薬効が書かれています。

キャベツの特異な生理作用として早くから知られているのが抗潰瘍因子のビタミンUです。1900年代の半ばにキャベツの青汁が胃潰瘍の治療に効果がみられたことがきっかけで研究され、キャベジンという名前で商品化されました。肝臓の機能改善や解毒作用の補助にもよいとされています。動物実験の結果、キャベツは白血球を増加させる作用によって免疫力を増強することが確認されています。この働きは多くの病気に対する抵抗力と攻撃力を強めることになるので、抗ガン性・感染症・動脈硬化・老化などの予防に役立つとされています。

キャベツ切る音の軽さも新婚か
橋本栄治

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この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」430号(2021年10月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。