正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

*

ロシアの山火事の影響

少しの間札幌の空は陽は照ってはいるのですが、霞がかかっているようなどんよりした状態が続きました。これはロシアの山火事の影響だそうです。緑を焼ききる山火事もすごいですが、それが遠く離れたところのお天気にまで影響しているのには驚きます。まさに大気汚染の問題です。

環境に左右される人間の活動、お天気は気分をも左右します。ということで、今回は健康な環境作りについてです。

科学技術の発達により、現代生活は物質的に豊になりました。その「もの」の豊かさの代償として、環境汚染・破壊は直接的・間接的に私たちの生活を脅かしています。

今日の環境問題は、廃棄物処理、地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、海洋汚染、熱帯林の激減など、国境を越えた地球規模・将来の世代にわたる広がりを持つもので、国際的に重要な課題となっています。つまり、自然環境の復元力以上の資源の採取による資源の減少と、生産・消費・廃棄といった過程からの不要物の排出による環境汚染の問題が起きているわけです。

国際的に、あるいは国家レベルで取り組みも必要ですが、個人のできることも考えなければなりません。私たちの生活は、地球環境にさまざまな負荷をかけています。空気、水を今よりきれいにするためには、「地球に優しいライフスタイル」を心がけることが必要です。それには、環境学習をして、必要以上のエネルギーや化学物質を使わない、リサイクルできるかどうか、無駄はないかどうか、そして出来るだけゴミを出さない生活をすることです。そのために、ほんの少しだけ手間をかけたり、ちょっとした不便さを我慢することも必要となるでしょう。

自分自身が汚染源という自覚を持ち、今の生活を変える努力が必要です。一人ひとりの努力は小さくても、努力の積み重ねは問題解決する大きな力となるかもしれません。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」227号(2004年11月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。