正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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気が抜けない

落ち着いた年末年始を迎えることが期待できると思っていた矢先、新型コロナウイルスのあらたな変異株右往左往している昨今。なかなか気の抜けない状態です。無事に新年を迎えられますことを、強く願っております。

寒い季節、気の休まらないことの多いとき、せめてからだを休ませてあげることを意識しようと思います。休ませる方法はいろいろあります。横になるのが休息ではありません。からだを思いきり動かすことだって、リラックスにつながります。自分に合った方法を見つけましょう。

からだを休ませる、あるいは動かすときの心がけを考えます。週に1度のスポーツクラブやジム通いの運動より、普段の生活を活動的にしたほうが、全体の活動量ではエネルギーを多く消費します。たとえば、こまめにお掃除したり、通勤や職場でのエレベーターやエスカレーターを、1回だけでも階段を使ったりすることです。

そして、ときには万歩計や活動量計などで運動・活動量のチェックをしてください。普段の生活で、どれくらい身体を動かしているかを知るためです。普段の自分の運動量がわかります。今日はあまり体を動かさなかったと思ったら、1フロア階段を使ってみるとか、10分散歩してみるとか、無理のない程度で動いてみましょう。

運動は、継続することで効果が発揮されるものです。人それぞれに体力が違います。競争することも、苦手意識を持つ必要もありません。失敗した気分や劣等感は、運動を続ける妨げにもなります。マイペースを守り、他人と比較しないこと、がんばりすぎないことです。

無意識の緊張や無理な力が心の緊張を高めることもあります。けれど、体のかたい人が無理をしても、簡単に柔らかくなるわけではありません。運動を始める前に、一度大の字に寝てみることをお勧めします。ひとのからだはつながってます。自分のからだを意識しながら、どこがどうつながっているのかを感じてみてください。不思議と穏やかな気分になります。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」432号(2021年12月6日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。