正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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食欲の秋のダイエット

何を食べてもおいしく感じる秋、その一方でダイエットが大流行しています。
テレビも雑誌もダイエットの話題を取り上げるので、ますます関心の高いものとなっています。
健康、あるいは生活習慣病という点から見ても、確かに肥満はよくありません。
けれど、スリム志向の強い現在、標準体重では納得できない方が多いようです。
私たちの身体は、水分とタンパク質、そして脂肪からできています。
脂肪はエネルギーの貯蔵の働きを持ち、グラムで約9キロカロリーのエネルギーを作ります。
脂肪の割合は、男性で15~18%、女性は20~25%です。
肥満とは、身体の脂肪組織の割合が正常以上に増加した状態をいいます。
これは、食物からの摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ったカロリーが脂肪となり、
脂肪細胞に蓄積されることにより起こります。
摂取エネルギーの60~75%は基礎代謝、運動や生活に15~20%、
食物の消化・吸収・代謝などに10%程度必要です。

体重を落とすためには、摂取を減らし、消費を増やすしか手はありません。
体重は、標準体重より少々オーバーしても、少しやせすぎでも細かな数字にこだわることはありません。
肥満気味の場合、やせすぎの時には食生活を見直す必要があります。
急激な食物の制限をすると、体重と同様に気力も落ちます。
これは決してよくないことです。
時間をかけて、ゆるやかなカロリー制限が大切です。腹八分、これが目標です。
体脂肪を落とすためには、運動が必要です。歩くことが基本で、毎日30分歩くことです。
ただ、歩くといっても、習慣化されていない方にはそう簡単ではありません。
自分のライフスタイルに合わせること。
エレベーターを3回に1度は階段にする、お買い物に歩いていく、掃除機は二度かけるという具合です。
バーゲン会場で1時間歩き回るなんていうのは、あっというまですので、
簡単にできる運動といえます。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」202号(2002年10月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。