正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

*

私の冬の悩み

個人的なことですが、私の冬の悩みは肩こりです。中学生ぐらいから「肩がこる」と感じていましたので、もうずいぶん年季の入ったものです。昔は重たいウールのコートのせい、寒がりのせい、冬の季節だから仕方がないと思っていましたが、どうもそうではない。考えてみれば、夏でも肩こりでした。もちろん、寒さに身を縮めて、背中を丸めて歩くことの多くなった私は、肩こりのひどさと頭痛に悩まされることが多くなる冬の寒さは特に苦手です。

街中を歩いているとき、ショー・ウインドウに映る自分の姿を見て愕然とすることがあります。視力の低い私でもわかるほど、「ああ、こんなに姿勢が悪いのだ」と、驚きます。年を実感し、がっかりもします。そんな驚いたときは、姿勢のチェックの時。胸を張って、顎を引いて、おなかを引っ込めて、と意識しています。これが習慣になると良いのですが、なかなか難しい。デスクワークや食卓での姿勢、ソファでテレビを観る姿勢は、決してよろしくないであろうことは我ながら感じています。

せめて、同じ姿勢を長く続けない努力をしようと、最近頑張り始めました。仕事も遊びも何事も集中することは大切ですが、根を詰めすぎるのは良くないこと、と自分に言い聞かせています。時間を決めて姿勢を変える、ストレッチをする、歩く、ということを間に入れています。ただし、これがどこまで続くのかどうかは、少々自信の持てない私です。デスクワークの時間は60分ごとにアラームを鳴らしていますので、とりあえずは中断になります。立ち上がり、肩を回し、腕を振る、首を回す。これを繰り返しています。習慣となるまでにはもう一つ何かが足りない気もしています。誰かに、「最近姿勢が良いですね」とか、「楽しそうですね」とか言われると、頑張れるような気がしています。

喰いしばって頑張るのではなく、もう少し力を抜いてリラックス。それが私の目標です。健やかに老いたいものです。

 


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」444号(2022年12月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。