正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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立春大吉

立春大吉、ごぞんじですか?この文字は左右対称で、裏から見ても「立春大吉」と読むことができます。そのため縁起の良いものとされ、お札にして貼る風習ができたそうです。

しかし、寒い日が続きます。10年に一度の最強寒波、皆様のところは大丈夫だったでしょうか。停電や断水、交通網の寸断など、いろんなことがあったようです。被害にあわれた方にお見舞い申し上げます。

私は寒い寒いと震えているだけで済みましたが、何となく縮こまった生活から抜け出せません。新型コロナウイルス感染症のためなのか、はたまた、ロシアのウクライナ侵攻のせいなのか、気分がどうも晴れません。

それでも私たちは生きていかなければならないとするならば、ストレスに負けない工夫を自ら考えなければなりません。自然はどうすることもできないかもしれませんが、どうにかできることは試してみる必要があるでしょう。つらいことは気合では乗り切れません。逆に気合を入れると、つらい気持ちが強まる傾向にあります。気持ちの持ちようと考えることはよくありません。

そんなときは「とりあえず」がいいようです。「とりあえず、起きてみる」、「とりあえず、できることをやってみる」です。

私のおすすめは、朝は「とりあえず、カーテンをあけて、お日様を浴びる」です。以前、日光を浴びるのが重要と書きましたが、これは間違いない。日光を浴びる時間は大切にしてください。そして、「とりあえず胸を張る」、背筋を伸ばしてみてください。不安や悩みによって、うつうつするときは、背中が丸くなり、いっそう弱っているように感じます。

姿勢から整えます。胸を張り、背筋を伸ばす。そして、少し目線を上にしてみてください。続けて、「とりあえず深呼吸」してみてください。ゆっくり鼻から息を吸い込み、空気の温度を感じてください。呼吸に集中することが、気持ちの安らぎにつながります。

立春大吉、穏やかな春へと続きますように。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」446号(2023年2月6日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。