正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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帯状疱疹にやられる

夫が帯状疱疹になりました。眉間の少し左寄りに、かすり傷のようなものができたのが始まりでした。どこかにぶつけたかな? 程度でしたが、翌日真っ赤に。水疱もでき、痛みもでました。神経の走行に沿ってきれいに症状が出ました。

帯状疱疹はヒリヒリチリチリする痛みから現れると言われていますが、痛みに鈍感だったのか、赤くなって気づきました。海外出張の3週間後で、気がつかない疲れが出てきたのかもしれません。

日本では80歳になるまでに、3人に一人はなると言われている帯状疱疹。水ぼうそうと同じウイルス「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因の病気です。水ぼうそうになると、治った後もウイルスは症状を出さない状態で体内に潜み続けます。そのため、水ぼうそうになったことのある人なら、ウイルスが体内に潜み続けているため、帯状疱疹になる可能性があるのです。体の左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う赤い斑点と水ぶくれが多数集まって帯状に生じます。症状の多くは上半身に現れ、顔面、特に目の周りにも現れることがあります。

適切に早いうちに対応すると、多くの場合、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、神経の損傷によってその後も痛みが続くことがあります。これは「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれ、嫌な合併症です。また、帯状疱疹が現れる部位によって、角膜炎、顔面神経麻痺、難聴などの合併症を引き起こすことがありますので、要注意です。

加齢、疲労、ストレスなどによる免疫力の低下が発症の原因となることがあります。50歳代から発症率が高くなります。また、糖尿病やがんなどの免疫力が低下する病気が原因になることもあります。

帯状疱疹になりにくい体づくりのためには、食事のバランスに気をつける 、睡眠をきちんととるなど、日頃から体調管理を心がけることが大切です。

最近、テレビでコマーシャルもしていますが、50歳以上の方は、ワクチン接種で予防することができます。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」449号(2023年5月8日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。