正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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なぜ人を殺してはいけないのか

子どもが自分の家に火をつける、親を殺す、毒物を飲ませる、大学の研究室で同級生の首を絞める、友人に母親殺しを依頼する。子どもの事件が日常茶飯事に起こっています。どうして?とやるせなく感じることばかりです。もはや、身近で有り得ることとして、命の尊さを今一度考えたいと思います。

「なぜ人を殺してはいけないのか」、子どもの事件が起きると話題になることです。このような疑問を持つ子どもに、大人はどう答えるべきなのか。

本来は、「人を殺すな」と教えることに関して、理屈など何もいらないことでしょう。人として、してはいけないことが人間には初めからある。人は殺すな、と頭にたたき込まなければならないことと思います。あなたは人間に生まれたのだから、人を殺してはいけないんだと。

人を殺してはいけないという当たり前のことに対して、疑問を持つようになったのはいつからなのでしょうか。子どもたちとは目をそらさずに、話し合うことが必要なのだと思います。子どもが大人の社会に矛盾や納得できないと感じていることがあるのなら、大人も真剣に変わらなければならないときなのでしょう。

人を殺すとどうなるのか知りたかった、ちょっと殺してみたかった、と語っていた子がいました。殺してみなければ、その結果がわからないことに驚きを感じます。これは想像力の欠如でしかありません。もともと、私たちは想像力を持って生まれています。しかし、想像力は絶えず鍛えていないと衰えるもの。実験や試行として「人を殺す」ことも、今だけの快感を求め、自分を傷つけることも、先を想像できないためと思います。それでは、想像力を鍛えるにはどうすればよいのでしょうか。ひとつは本を読むことだと思います。子どもが自分の将来を想像するとき、社会の未来の可能性も広がるのだと信じています。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」249号(2006年9月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。