正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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幸せの三大ホルモン

戦争だけでなく、自然災害や事件事故が毎日のように起こっていて、ストレスを感じない日がありません。ストレスいっぱいの世の中で、それでも強くたくましく生きていかなければならないのは、なかなかのつらさがあります。そもそも、ストレスに強いとか、弱いとか、言いますが、その違いは何なのでしょう。

ストレスに強い人の脳では、幸せの3大ホルモンが多く分泌されています。3大ホルモンとは、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンです。セロトニンは、今日もがんばろうというポジティブで前向きな気分にしてくれる、心と体の健康を支えるホルモンです。オキシトシンは、家族や友人、恋人などといて楽しいと感じる、つながりや愛情をもたらしてくれるものです。最後のドーパミンは目標を達成した感覚、成功や報酬の快感の得られるときに分泌されるホルモンです。

健康管理は体内時計を整えることを大切にしていますが、その体内時計を整えるのがセロトニンです。昼夜逆転生活や不規則でバランスの悪い食生活は、セロトニン不足を招きます。セロトニンの分泌を増やすためには、朝の光を浴びること。そして、ウォーキングやサイクリングなど、リズムを刻む運動をするとよいでしょう。

オキシトシンは愛情ホルモン、ストレス状態から不安や心配を緩和させてくれるホルモンです。家族やペット、パートナーとのスキンシップが効果的です。他にもマッサージなども分泌が促進されるようです。お友達と集まっておしゃべりすることも良いようです。

ドーパミンは快楽物質とも言われています。楽しいこと、達成感などが大好きです。大きな快楽をさらに得ようとするのも、ドーパミンのためです。なので、プラスに働く者の場合はよいですが、依存症になるものでもあります。

健康管理という点では、セロトニンの分泌を増やし、生活リズムを整えることがストレス対策には十分かもしれません。まずは、朝の太陽の光を浴びることです。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」458号(2024年2月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。