正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

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若者も楽に生きてよい!

前回、楽に生きても良いお年頃になった、というお話を書きました。その第2弾です。楽に生きて許されるべきなのは、年を取ってからだけではないと思います。「若いときの苦労は買ってでもせよ」、これは辛いです。楽に生きることは、さぼるということではないです。疲れた心と体に、頑張れと鞭打っても、良いことはないと感じます。肩の力を抜くことを許していける文化が欲しいです。

毎日の仕事や活動には、「やらなければならない」義務的要素のものと、「やりたい」望むものの視点があります。活動をこの視点を使って簡単に分けると、①やらなければならなくて(義務)やりたいもの(望むもの)、②やらなければならないけれど、やりたくないもの、③やらなくてもよいけれど、やりたいもの、そして④やらなくてもよくて、やりたくもないもの、の4つになるわけです。

生活が辛いと感じている人には、この②の活動が多いようです。たとえば、お付き合いで出かける、頼まれ残業が続く、家事に追われて時間がない。なんてことがあるかもしれません。これが続くと、自分が犠牲になっている感覚が強くなるかもしれません。

「やらなければならない」ことを無くすことは難しいし、時に大切なことです。なので、少しだけ「やりたいこと」の時間を作ってみてはいかがでしょう。わずかなことでかまいません。コンビニで新しいスイーツを買ってみる、かわいい動物の動画を見る、空をながめる、月を見る、お花の香りをかぐ、お店で本や文具をながめる、スーパーの冷凍食品をながめる。こんな些細なことでかまわないのです。生産性のないもの結構。心がほっと緩むものに触れる時間が欲しいのです。

やりたい活動が増えるのであれば、気持ちは楽になると思います。そこに、①のように、やらなければならない義務がつくと、楽にできる場合もあります。私たちは人のためにも生きていますので、期待されると嬉しくなります。ただ、期待で押しつぶされてしまう場合もあるので、要注意です。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」463号(2024年7月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。