正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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五月病の季節

ストレスの多い現代社会。ストレスを避けて生きるのはなかなか難しい。ならば、ストレスとうまくつきあっていくことが大切です。ストレスのとらえ方も少しずつ変わっていて、悪者としてのストレスという見方だけではなく、ストレスが適度な刺激となり、生きていく上に必要なこともわかってきました。たとえば、脳の機能を活性化する治療には、適切なストレスが使われます。なので、うまくつきあっていくと言うことです。

五月に限ったものではないですが、受験勉強から解放された大学入学後の学生が、五月の連休くらいから気分が沈みがちで、無気力になることからついた名前です。もちろん医学用語ではありませんし、決まった概念があるわけではありません。大学生だけではなく、社会人にもよく見られる状態です。新社会人の場合は、研修が終わって仕事が始まった六月が多いため、六月病とも言うようです。

新しい環境での生活は、身体的にも精神的にもストレスの大きなものです。四月に感じた新しい生活への希望や期待をかなえようとする努力が、少々くたびれてきた結果の五月病です。やる気がでない、何となく落ち込む、イライラしたり、憂鬱になったり。そのために、身体にも症状がでます。食欲不振や腹痛、風邪のような症状、頭痛や不眠がおきる場合もあります。まじめな人がなりやすいと言われています。

この対策としては、まじめに物事に取り組んだ結果が五月病なのですから、自分を誉めてあげることです。そのがんばりへのご褒美のお休みをあげてください。体と心を十分休めること。そして、適度に休息をとった後には、自分にあったストレス発散、解消法をゆっくりみつけることです。新たな目標や関心をみつけることも大切です。新しいことへのチャレンジは、生活の中に刺激を与えてくれます。ストレスがチャレンジになるとよいですね。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」269号(2008年5月7日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。