正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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セクハラにパワハラ、モラハラ

最近耳にする「モラハラ」という言葉、ご存知ですか。肉体的な暴力ではなく、言葉や態度で精神的な苦痛を与えることをモラルハラスメント(略してモラハラ)というそうです。たとえば、職場でのパワーハラスメント(パワハラ)や身体接触のないセクシャルハラスメント(セクハラ)なども、このモラハラに入るようです。

モラハラは、無視や険悪な態度も含まれ、職場の上司だけではなく、親子、兄弟、夫婦、友人のあいだでも生じるようです。被害者にも加害者にもなる可能性を秘めています。

パワハラは、職位の権力を背景に、本来の仕事の範疇をこえて、継続的に人格と尊厳を脅かす精神的肉体的な苦痛を与えることを言います。パワハラは和製英語ですが、日本での問題ではなく、職場の中でのいじめは働くものを苦しめる万国共通のようです。働くものにとって、職場の人間関係に関する悩みは重いものになっていて、その対策としてコミュニケーションスキルが注目されています。

セクハラは、性的嫌がらせのこと。男とか女であることを理由とした言動もセクハラになります。ですから、「おじさん」「おばさん」の声かけも、相手が不快に感じたらセクハラに分類されます。

これらが与えるストレスは、精神的な疲労だけでなく、身体にもひずみを生じさせます。免疫力の低下にもつながります。ストレスはそのままにしておくと危険です。ストレスを感じたときは、その解消方法をみつけることをおすすめします。もちろん、人間関係については、そう簡単に解決できるものではないかもしれません。けれど、人間関係を良くする努力や、あるいは気にしないような心構えも大切です。ですが、先に挙げたようなハラスメントには、組織ぐるみで対応してもらう必要があります。泣き寝入りはいけません。闘う術も身につけなければならないようです。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」270号(2008年6月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。