正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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免疫力を高める

私たちを取り巻く環境は、間違いなく悪くなっているようです。大気汚染に水質汚染、温暖化現象が拍車をかけ、地球は住みにくい環境になっています。加えて、社会のシステムも激動のとき。将来が見えないというのは大きなストレスになります。そんな落ち着かず安心できない環境の中で私たちは生きていかねばならないのです。

ストレスが人体に与える影響は大きなものです。免疫力を低下させるひとつの原因にもなっています。ストレスが大きいと、病気にもなりやすいということです。ストレスを解消する方法を考えなければなりません。

一番の解消法は、くよくよしないこと。ストレスいっぱいの中で、くよくよするなといわれても、これはかなり難しいこと。ですが、何か考えなければなりません。

そこで、まず声を出して自分を褒めてみませんか。私はそう単純ではない、くだらないなあと思う前に、鏡に映る自分に向かって、「良くがんばっている」と声をかけてみてください。

これは他者と比較して、どうこうという評価ではありません。比較して、優劣を気にすると、ストレスになります。自分が持っている能力、今日のちょっとした出来事も、特に大事にならなくすんだ自分を褒めてあげるのです。毎日続けることが大事です。他人の所作でむっとした私は繊細な感覚の持ち主だ、言いたいことも言えずにいた自分は忍耐力がある、一言余計だったけれど行動力はあった、とか。そして、その能力を発揮するには、努力が必要なことを感じると良いです。私たちはすでに、訓練され努力し習得しているのですから。些細なことですが、試してみる価値はあります。

免疫力を高めるのには、やはり十分な睡眠、規則正しい生活、栄養、体温を下げないことが大切です。そして、気分転換です。これで、新型インフルエンザや季節性のインフルエンザに対処していきましょう。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」285号(2009年9月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。