正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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節電意識

7月1日から、東京電力および東北電力管轄の大口需要家は、15%の節電に入りました。北海道に住む私にとって、関係のないことではなく、経済がどう動いていくか、その影響は大きなものです。

私たちが予想した以上に、東京の節電は浸透しているようです。街灯がついていないところがあり、看板のあかりが消えている。営業時間は短縮。地下鉄・電車のホームは薄暗く、特別ダイヤの運行になっている。エスカレーターは半分が止められ、自動販売機の電気も抑えられている。とにかく街全体が暗くなっています。足元を気にしながらも、もしかするとこれまでが明るすぎたのかもしれない、と感じます。明るくするためにはどうするか、知識はそちらに向かっていたのだと思います。

けれど、人の移動は減るはずはなく、時間によってホームは大混雑。それでも、仕方がない、これぐらい節電しなくては、という雰囲気があるような気がします。

いつまでこの状態が続くのか。我慢できるのか。はたまた、これが当たり前の生活になってしまうのか、わかりません。生活の質を落としているのか、それとも、生活を見直す機会として意味を持ってくるのか。これから、私たちがどうするかにかかっているのかもしれません。

エネルギー資源を真剣に考えていくことが必要な私たち。今回のことは、これからを考える機会となったのは事実です。単に節約して、その場を乗り切るというのではなく、優秀な日本の知によって、新たなエネルギーのあり方を作り出してほしいものです。安心、安全、そして安定した生活のために、時にはお金をかけることも必要でしょう。未来のために、子どもたちのために、大人は真剣に考える必要があります。

離れた北海道は、少しずつ、少しずつ忘れてしまっているかもしれません。他人ごとではなく未来の行く末をしっかりと考えていきたいものです。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」307号(2011年7月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。