正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

*

暑さに負けないからだ作り

暑中お見舞い申し上げます。暑いお天気が続くと、熱中症の予防対策に注目が集まります。ですが、夏に限らず、日頃からからだを鍛えておくことも大切です。

人は誰でも年をとります。年齢を重ね、いろんな経験をし、それを次の世代に渡してこの世を去っていく。これは命あるもの全ての定めです。けれど、周りを見回すと、暑い中でも元気に動き回っている人もたくさんいます。その一方で、何をする気力も起こらないという人も少なくありません。この違いはどこから来るのでしょう。

生活の視点から気をつけるものは、食事と睡眠、運動があります。日常生活の中で無理なく自然な形で習慣化していくことができるなら、身体は快適な状態になるはずです。

食事は地産地消が理想的です。その土地でできたものをいただくことは、自分の体質にあったものを摂取することにつながり、体に負担や害にならないはずだからです。好きなものを食べるのは悪いことではありません。身体が欲するサインを感じることのできるゆとりを持つことが大切なのかもしれません。

睡眠は若さを保つために重要です。細胞を活性化する成長ホルモンは、睡眠の質で決まるからです。睡眠のゴールデンタイムは午後10時から午前2時です。この間に睡眠をとることは、疲労回復や美容の面で重要といわれています。

運動は重要なポイントです。どんなに栄養に気を配っても、身体を動かさないとどんどん弱ってしまいます。歩くこと、身体を動かすのがおっくうになっているようなら老化が進んでいるかも知れません。足を動かすと、血液循環は良くなります。そのため、認知症の予防にも、活発な活動が影響することが示されています。運動や家事など活発な活動を行っていた高齢者では、認知症と診断されることが20%以上低くなるそうです。身体を動かすことは、大切なのです。涼しい朝のうちに、身体を動かしてみませんか。朝のお散歩は理にかなっているようです。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」320号(2012年8月6日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。