正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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夏の夜にぐっすり眠るために

今年の夏も暑いです。この暑さはしばらく続くようです。睡眠不足は体温の調節機能を低下させますので、熱中症になりやすくなります。要注意です。

不眠のタイプはいろいろありますが、一番多いのは、寝つきが悪くなかなか眠れないものです。このタイプは、いったん眠ってしまうと朝まで眠ることができるようです。なので、眠る環境を整えることが大切です。

昼間に興奮しすぎると、夜に影響します。交感神経の緊張が異常に興奮しているために不眠になるからです。仕事に集中し過ぎたり、運動しすぎたり、ストレスを強く感じたりすると、こころと身体が異常に興奮します。こんな状態では安眠などできません。

また、カフェインの入った飲み物を控えることも効果があります。寝る前にはぬるめのおふろにゆっくり入ることもおすすめです。上がった体温を下げようと副交感神経が働き始めますので、身体は寝る準備にはいります。

冷房や扇風機を上手く使うことも大切です。
身体を冷やすことが必要ですが、冷やしすぎるのはいけません。

これらは自律神経の働きを整えるためのものです。自律神経が乱れるという言葉を聞いたことがあると思います。自律神経は交感神経と副交感神経という正反対の働きをする二つの神経からなっています。二つがバランスよく働くことで、健康を維持しています。交感神経が働くと副交感神経は休み、副交感神経が働いているときは、交感神経はお休みします。

交感神経は、活動しているとき、緊張しているとき、興奮しているとき、ストレスを感じるときに働きます。副交感神経は、休息しているとき、睡眠時、リラックスしているときに働きます。昼間の疲労やダメージを副交感神経は取ってくれます。両方働くことが必要で、不眠の場合は交感神経ばかりが優位にはたらくことになってしまいます。

寝ている間にかいた汗で体内の水分は不足がちになります。朝食で水分を取ることが必要です。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」332号(2013年8月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。