正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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夏から秋の変わり目に

秋の空、秋の風を感じます。コスモスが咲いていたり、ななかまどがちょっと赤くなっていたり。そんな季節の変わり目には体調を崩すことが多いです。

朝夕は過ごしやすくなりました。この気温の変化が体調を崩す原因のひとつと言われています。寝苦しい夜から解放されるなど暑さを乗り切るための緊張がそろそろ限界のころに、季節の変わり目がきます。気温の変化は体温調整をしている自律神経系にストレスを与えます。そのため、免疫力や抵抗力が低下して、風邪をひきやすくなったり、疲れやすくなったりするのです。

また、私たちの社会は季節の変わり目にイベントが多いです。夏休みも終わり、新学期が始まる。収穫祭、紅葉狩り、音楽祭、遠足にバザー。忙しくて身体に気を回すことも少なくなります。そんなことが調子を狂わせます。

体調を崩す中には、うつ病や自律神経失調症になる例も少なくありません。こちらは気圧の変化によると言われていますが、日が短くなって、葉が落ちるなど視覚情報から寂しく感じるためにより症状が重く出る場合もあります。

どちらにしても、季節の変わり目だから体調を崩すというのではなく、日頃の生活やストレス、食生活の影響によります。ここに気温や気圧の変化が加わって、症状が現れやすくなるということのようです。

対策のポイントは3つです。ひとつ目は、きちんと食事をとること。ビタミンBやCを少し意識してください。2つ目は、軽い運動を行うこと。軽い運動によって、身体を活性化させるホルモンが分泌されます。1日を快適に過ごすためには、朝食前の運動をおすすめします。できれば、お散歩をおすすめします。光を浴びることが大切です。3つ目は規則正しい日課や生活に戻すことです。睡眠時間をとってリラックスできる時間を作ることです。

食欲の秋、運動の秋が身体を助けてくれるようです。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」333号(2013年9月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。