正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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気にしすぎると…

女子が気にする体型の悩みは、背が低い、顔が丸い、お尻が大きい、胸がない、背が高い、二の腕が太い、足が太い、お腹が出ている・・・だそうです。そうそうその通り、「みんな同じね」と安心したり、悲しくなったり。けれど女子が気にするほど、周囲は気にしていなかったり、そこが魅力になっていたり、ということもあるようです。ですから、スタイルをそんなに気にする必要はないといわれますが、それでも気になります。

さらに、若い頃にはすぐに戻った体型の変化は、年をとるとなかなか元に戻らなくなります。体型は変化していきます。中年になっての体型の変化は歩き方も変えます。腕の振り方が変わりますし、40代から50代になると猫背になりやすい。股関節と膝関節が曲がると歩幅が狭くなりますし、筋力の低下によっては足が上がりにくくなります。歩き方から年齢が推測出来るのです。

さて、自分はどんな体型になって、どんな歩き方をしているのでしょう。いつまでも若々しくと、気をつけることは大切ですが、あまり気にしすぎるのも良くないという研究があります。アメリカの研究です。自分のボディーイメージに不満を持っていたり、魅力的でないと感じたりしている女性は、そうでない人よりもうつ状態の得点が高いという結果が出ています。人種間では違いはないもので、特に中年女性にその傾向が強かったそうです。

またスタイルだけではなく、仕事と家庭の両立の悩みは男性以上に、女性にうつ状態を引き起こしやすい結果をもたらしているそうです。スウェーデンの研究では、仕事と家庭の両立に対する葛藤がうつ病を発症するというものがあります。スウェーデンに限らず、多くの先進諸国では夫婦共働きの形態が多いのが実情。それでも、家庭の事は女性が中心になってくるために、不満足感は女性のほうが強いようです。頑張る人ほどつらくなる。

助けてもらうべきところは頑張らない、難しいですが大切です。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」365号(2016年5月6日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。