働き方改革と老後の生活
経済の再生・一億総活躍社会の実現に向けて、多様な働き方を可能にする、働く一人ひとりがより良い将来の展望を持ち得るようにと、働き方改革が動いています。人生100年時代、生涯にわたって学習し、元気に活躍し続けられる社会を作ろうというもの。老後の生活を楽しむ、悠々自適の楽隠居なんて言葉はなくなってしまったのかもしれません。
実際には、定年を迎えた後の雇用延長は恩恵を施す、恩恵を受けるという関係で、働くものが主人公ではないような気がします。労働時間の上限が話題となり、就業規則の問題ばかり。働かせ方の視点のみになっています。
それでも確かに、働くところがあるのは良い方で、組織の外へ出たとたん、何もない、喪失気分を味わいそうです。行く場がなくて、経済的にも不安になる。さびしい限りです。自分で見つけるのは大変で、かといって個人で何かを立ち上げるのも難しい。準備をしておかなければなりません。
定年が近くなると、ライフスタイルを見直す、定年後の生活を考える研修会をすすめられます。これもまた、時間や気分にゆとりがないと参加もできませんが、大切なこと。必ず受けられるようにすべきでしょう。組織の中で働く自分とは別に、一人の存在としての自分を持つことが必要なのかもしれません。50代で考えることが、今後の修正を考えると理想的といえます。いつの年齢でも、とにかく思い立った今です。
65歳定年、70歳までの継続雇用が良いのではなく、個人としてどんな役割を果たすことができるのか、個人を主体として何ができるのか、を考えるべきなのかもしれません。
結局は自分の老後の生活をイメージすることから始める必要がありそうです。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」386号(2018年2月5日発行)に掲載された記事です。
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