正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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夏風邪対策

強い日差しと湿気のうだるような暑さも、どうやらひと段落しそうです。涼しくなって、夏風邪をひいていませんか。冬に流行する風邪のウイルスは寒冷で乾燥を好むようですが、夏風邪ウイルスは高温多湿を好むそうです。ウイルスが違うため、症状も違います。夏風邪はお腹をこわしやすいです。これは、腸で増殖するウイルスのため。のどの痛みは、炎症を起こすため、食べ物や飲み物をとりにくくなり、その結果体力低下の夏バテの原因にもなります。そうすると、体力の回復が難しく。長引いたり、悪化したりするわけです。夏の風邪が長引く理由のひとつです。

3大夏風邪のひとつ、「手足口病」は子供のかかりやすいものですが、大人でもかかる感染症です。のどに水泡ができると痛くて、食事や水分が取れなくなったり、微熱が出たりする人もいます。脱水症状にならないようにすることが大切です。刺激を避けるために辛いものや熱いものは避けたほうが良いようです。

さらに、夏には睡眠不足により免疫力が落ちた状態がよくあること。免疫力を高める必要があります。免疫力を高めるためには、腸内環境を整えることがポイントです。腸内に善玉菌を増やすのです。まずはヨーグルトを食べることから始めてみませんか。

ヨーグルトの乳酸菌には寿命があります。毎日続けることが大切ですので、飽きない工夫が必要です。ビタミンCの含まれるフルーツと一緒に食べると、風邪にはさらに効果的でしょう。ビタミンEは抗酸化作用があります。ナッツ類に多く含まれています。

もちろん、ヨーグルトだけではなく、他の発酵食品にも乳酸菌は豊富です。野菜や豆などの発酵食品は植物性の乳酸菌を含みます。植物性は酸に強いので、生きて腸まで届きやすいので、なお良いです。納豆、しょうゆ、みそ、漬物など、塩分に気を付けて、毎日上手に取り入れることです。免疫力を高めるだけでなく、予防にも役立ちます。

加えて、外出先から帰ったら、手洗いとうがいが大切です。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」393号(2018年9月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。