正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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もっと潤いを

インフルエンザの季節。今年は何度もかかる人もいるようです。予防のためには湿度管理が重要です。ウイルスは一般的に乾燥に強いものです。さらに、乾燥状態が続くと、のどの防御機能が低下し、インフルエンザウイルスに感染しやすくなります。そのため乾燥しやすいこの季節、インフルエンザの予防法の一つとして、適切な湿度を保つことが注目されています。

理想的な湿度は50~60%。湿度が50%になるとほとんどのウイルスが生存できなくなるのです。けれど、湿度が高ければよいというものではなく、70%以上になるとかびやダニの発生しやすい状況になってしまいます。

加湿器を上手に使っていただきたいです。加湿器をお手入れしないと、不衛生です。雑菌が増殖し、まき散らすことになります。お手入れ方法の簡単なものを選ぶ必要性を感じます。

昨日の出来事、お隣がインフルエンザで全滅したという情報が届きました。我が家の湿度はどのくらいかしらと、湿度をみると、なんと36%。慌てて、加湿器のスイッチを入れ、お湯を沸かし、洗濯物を干しましたが、40%にしかならない。家じゅうの加湿器を集めスイッチを入れて、ようやく50%に。夜はお鍋になりました。身体も温まりますし、湿度も上がる、最強お鍋です。最近、目がしょぼしょぼし、カサカサお肌になったのは、どうも湿度が足りなかったようです。

お肌や粘膜には潤い・湿度が大切です。乾燥はお肌や髪からも水分が蒸発しやすい状態になります。肌荒れ、シミ、しわ、かゆみの原因にもなります。髪はパサつき、枝毛や切れの原因にもなります。

湿度のコントロールがうまくいかない時は、マスクが効果的です。マスクをすると暖かですし、湿気を維持できます。ウイルス吸入も防御できます。

加えて、睡眠と栄養を十分に取って体力をつけることがインフルエンザの予防には大切なことです。暦の上では、もうすぐ春ではありますが、まだまだ冬の寒さは続きそう。どうぞ皆さま、免疫機能を高めながら、この冬を乗り切りましょう。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」398号(2019年2月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。