正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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朝はだるダル

一時の暑さに比べて、ずいぶん涼しくなってきました。「寝起きもすっきり」になったかというと、そうでもない日々を私は過ごしています。涼しくなっても、朝がすっきりしない、だるさを感じています。そんな風に感じることはありませんか。

頭の重さや肩こりなどの身体症状が中心で、気分の落ち込みが目立たないうつ病があります。これは自分でも気が付きにくいです。けれど、そこまでではなくても、寝起きの頭がぼんやりして、体が重く感じるのが「朝ならでは」と思っていませんか。

これにはいくつかの原因が言われています。一つ目は栄養バランスの乱れです。栄養素が不足したり偏ったりで、だるさを感じやすくなります。ビタミンやミネラル、たんぱく質などの不足です。特に、ビタミンB群は栄養素をエネルギーに変える働きなので、不足するとエネルギーが作られにくく、だるさや倦怠感が残ります。

二つ目は良い睡眠がとれていないことです。人間の体は眠っている間に、様々なホルモンを分泌しています。特に深い眠りで分泌されるホルモンは、成長ホルモン。アンチエイジング効果が大きいものです。疲れたら、無理せずゆっくりと休むことが大切です。寝る前のリラックスは大事ですが、スマホの刺激はお勧めできません。要注意です。

そして、ストレスです。栄養や睡眠は自分で見直すことができるものです。しかし、ストレスは厄介なもの。ストレスをため込まないよう気を付けることが必要ですが、そう簡単ではありません。気分の切り替えをうまくすることです。とても簡単にできることがあります。たとえば、起きる前、布団の中で、手足をぐーんと伸ばします。手をギューッと握りながらが良いです。そして力を抜きます。これを3回ぐらい繰り返すと、体が起きる準備に入るようです。起きたら、カーテンを開けましょう。目に太陽の光が差し込むことで、身体のリズムを整えるサポートになります。お試しあれ。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」405号(2019年9月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。